『風邪を引く』という言葉の語源① 『陰病』と『陽病』
こんにちは。
大阪市生野区のJR東部市場前駅から徒歩4分のところにある『おかだ鍼灸院』の院長の岡田です。
今回は寒い季節を迎えて、気になる『風邪の予防』について、お伝えして参ります。
突然ですが風邪以外の病気にかかった時に『○○にかかった(罹った)』と通常、言うと思うのですがいかがでしょうか?
ところが風邪だけは『風邪を引いた』と言いますよね。なぜなんでしょうか?
実は風邪は本当に『自らが引いてくる病』だからなんです。w
『アホか!』とお怒りの方もおられると思いますが例えば、同じウイルス性の肝炎を患っている方が『肝炎を引いてん。』とは言わないですよね。他には『糖尿病を引いてん!』とも言わないんです。
なぜでしょうか?なぜ、風邪だけが『風邪をひいた』というのでしょうか?
実はこの言葉の中に東洋医学が詰まっているんですね。今回は日本語の中に練りこまれた東洋医学の知恵についてもお伝えしていきますので最後までご覧ください。
東洋医学では風邪のことを『風邪(ふうじゃ)』と呼びます。東洋医学では風が運んでくるウイルスや細菌類、花粉や黄砂などはもちろんですが気温の暑いや寒い、湿度まですべてのものを風邪(ふうじゃ)と呼びます。
面白いところでは脳梗塞なんかも『中風(ちゅうぶ)』、癲癇(てんかん)においても『驚風(きょうふう)』として、風邪による病としています。
そこで通常、あまり重篤化しないものを総じて『かぜ』と呼ぶようになったようです。
東洋医学では病を『陰病』と『陽病』という分け方をします。陰病は体の中から沸き起こってくる原因不明の病気で現在で言うところのガンやリウマチ、糖尿病などが陰病にあたります。
一方、陽病はというと原因がわかっているものを指します。例えば、『感染症』などはウイルスや細菌が体内に侵入したというのがわかりますし、食あたりなんかも何かを食べたことで起こりますので理由が明快です。
陰病と陽病の違いがお分かりいただけたでしょうか?
では、次にお待ちかねの『風邪をひく』という言葉が使われるようになったかについて、お伝えして参ります。
風邪を引くという言葉の語源② 悪いものを追い出す作用
病には陰病と陽病があるというところはご理解いただけたと思います。
次にその陰病と陽病の差についても陽病は『自分の体をきれいにする、鍛える病』とされ、陰病は『自分の体を攻撃する病』というようにとらえていることについて、お伝えして参ります。
というのも、陽病の代表である『食あたり』を例にしてみると、細菌が体内に入ったらまず、腹痛が起こり、時に発熱があり、そして下痢をするという流れが想定できます。下痢の便は体にとっては不要のものですし、その便塊と一緒に最近も体の外に追い出してくれるのです。
一方、陰病はというと『糖尿病』を例にしてみるとはじめは無症状でだんだんと体がだるくなり、喉の異常な渇きに襲われ、体中が痛くなり、末端が壊死したり、時に腎臓が働かなくなったりとどこの病に至るかはわからないのです。
こうして、病の陰と陽を見てみると『風邪(ふうじゃ)って、あながち悪い奴ではないのかな?』と思う方も出てくるかもしれませんね。w
下痢や発熱や頭痛が起こっていることは嫌なことですがその後の起こる下痢や鼻水の排泄などの体内に溜まった不要なものを追い出す手助けをしてくれているとなると印象が少し、違ってくるかもしれません。
風邪を引くという言葉の意味がわかったところで次に『風邪をひきやすい体の状態』について、お伝えしてまいります。
風邪に入られやすい体の状態とは?
では、風邪に入られやすい体の状態について、具体的にお伝えして参ります。
これはズバリ、『老廃物が溜まった体』は掃除が必要になるので風邪(ウイルスや細菌類など)の侵入を許してしまいます。文字通り『風邪(ウイルスや細菌)を引いてくる・ウエルカム』な状態なのです。
体に老廃物が溜まった状態というのはどんな体というのはどんな状態か、具体的には
鼻腔に鼻水や膿が溜まる『副鼻腔炎や蓄膿症』、皮下に水分が溜まる『むくみ』、大腸に便が溜まる『便秘症や単純な飲み過ぎ、食べ過ぎ』など、現代人には珍しくないご症状のオンパレードなのです。
そこで世の中にはこれに対抗するために『風邪薬』や『滋養強壮剤』『風邪にいい漢方薬』などと謳われたものがたくさん売られていますがご存じの方もおられると思いますがそんなものはこの世には存在しないのです。
これまでにお伝えしてきたことでお気づきの方もおられるかもしれませんが体に不要なものが溜まっている以上、それを追い出さないと体は追い出すための反応を起こし続けるのです。
そのために通常では『風邪をひく』手段でことを済まそうとしているのです。
では、風邪から身を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?それについて、最後にお伝えしていきたいと思いますので最後までご覧ください。
風邪の予防はこれでOK
兎にも角にも風邪をひいたときは早く、症状が過ぎ去ることに専念することが大切です。
発熱があってもあまり、高温にならずに熱が上がってもすぐに下がってくれるのが理想です。
そのためには常日頃から代謝を上げておくことが一番の予防と心得ておきましょう。
では、実際にはどうすればいいのか?
まずは免疫細胞の80%があるお腹の状態を良好に保っておく必要があります。お腹が良好な状態とは具体的には
『腸内温度が高め』
が理想的です。腸内温度を上げる一番簡単な方法は
『入浴』
です。なんだ、簡単だと思った方もいると思いますがそうなんです。簡単なんです。
次に冷たいものや甘いものをたくさん食べていると腸内温度が下がると言われています。現代人は『甘くて、軟らかいもの』が大好きです。でも、これが腸な温度を下げる大きな原因となっていますので
『冷たいもの・甘いものは控える』
が2つ目の風邪対策になります。
最後に東洋医学では体の表面を守ってくれるバリアーの役割をする体のパワーのことを『衛気』と呼んでいます。これは大腸の直腸で『食物繊維』から採取すると伝えらえていますので最後の風邪予防は
『野菜や穀物を皮ごと、よく噛んで食べる』
ことが3つ目の風邪の対策となります。
昨今、農薬や化学薬品問題が注目されていますのでお料理の前に食材を『50度のお湯で洗う』ことをおススメいたします。
いかがでしょうか?
意外と簡単な風邪の予防対策ですがこういう毎日の素朴な生活習慣こそが大切ということをご理解いただいて、終わらせていただきます。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。